2005 年04 月02 日
ペルー 〜スモッグとパープルヘイズの都で〜@
9年前の今頃、俺は南米はペルーの首都リマにいた。相棒は大学の親友で敬虔なカソリックにしてテコンドー部主将の
ケンイチだ。
その日は日曜日。
二ヶ月かけてマチュピチュやチチカカ湖、ナスカを回り旅の終盤を迎えつつあったころだ。
カソリックのケンイチは毎週日曜日は近くのカテドラル(教会)でミサに参加した。
のちに仏壇の道に進む俺であるが、当時はあらゆる宗教に対して学術的好奇心で、貪欲に首を突っ込む若者だった。だから極力ミサにも一緒に参加した。
その日は、リマの大聖堂のミサだった。
大聖堂はセントラルパークにありで大統領府と隣接していた。
ミサが終わり大聖堂の前の石段に腰を掛けて、アイスに舌鼓を打ってると・・・
向こうから見知らぬ陽気なアフロの男が笑顔満面で駆け寄ってくる。
「いよぉ、まいど!調子はどないでっか?
にいやんら、日本人でっしゃろ。
わて、めっちゃ日本人すっきやねん。
なんせ、ペルーゆう国は大統領も日系人のフジモリやしなぁ、
国民を上げて日本人ファンや」
昔からのダチのように肩を抱かれながら、まくし立てるように話しかけられた。
「お前、何もん?ちょっと馴れ馴れしすぎひんか?」
腕に覚えのあるケンイチはちと警戒しながら凄んだ。
「なになにぃ、怖いわぁ、にいやん。なんも怪しいもんちゃいまんがな。」
アフロで雪駄履きで、アロハシャツで前歯が一本も無い馴れ馴れしい初対面の男。
「怪しすぎるわぃ!!!」
俺とケンイチのダブルツッコミが冴える゚・*:.。. .。.:*・゜
トラブル続きの南米の旅で鍛えられた危険センサーが反応する。
コイツはヤバイ・・・気をつけろ・・・
ヤツは少しも動じることなく相変わらずのフランクなノリで話を続けた。
「いや、なにね。今日、パーティがやりますねんけどな。ボンキュッボンの女の子が ぎょうさん来ますねや。ほやけど、男がもひとつ集まらんもんで誰かいぃひんか探してましたんや。ほんで、ちょうど暇そうなおたくらを見つけたゆうわけや。」
・・・
コイツはいいヤツだ・・・アミーゴ・・・
ヤツの言葉には危険センサーを狂わせる呪文でも混ぜ込まれていたのか・・・
そのときの俺たちの心境の変化の理由は未だにわからない。
ただ、俺たちは次の瞬間からアミーゴと化し、三人で頭を寄せ合い、
スケジュールの調整をしはじめていた。
浮かれた俺たちには、この後人生二度目の恐怖の体験が待ち構えていることなど知る由もなかった。
※ここは佛檀の山本
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投稿者:与五朗(よご)at 05 :18| 海外流浪 旅日記 | コメント(0 ) | トラックバック(0 )